【思い出のマーニー】伝えたいことを考察&解説

「思い出のマーニー」は、見た人が杏奈の両親とのわだかまりを解消する旅に自分を重ね合わせることができる作品。

主人公の杏奈が出会った同い年の少女マーニーとはどんな人物だったのか?　実際にはマーニーは存在しなかったのですが、杏奈が精神病だったり、おばけを見たとかいう怖い話ではアリマセン!!

杏奈が少女マーニーに出会った意味を考察し解説します。

「思い出のマーニー」作品概要

あらすじ

交通事故で両親を亡くした杏奈は、養母の引き取られて生活しています。喘息の治療のために北海層の海辺の田舎町で夏休みを過ごすことに。

そこは両親やおばぁさんの故郷の屋敷があり家族の生い立ちに出会うことで自分が愛されている人間であることを確認していくのです。

監督

米林宏昌監督。

ジブリ2作品目の監督作品で1作目は「借りぐらしのアリエッティ」(2010年公開)

「思い出のマーニー」伝えたいことを考察

「思い出のマーニー」は2つの視点から伝えたいことを考察しました。

友人を求める強い気持ち

杏奈は、学校の友人関係でも孤立しいつも一人で絵を描いているような少女でした。友達は必要ないのかな? そうではありません。孤独を感じながらいつも心では友人を求めていたのです。

杏奈は精神病?　少女マーニーは存在しない?

　杏奈は、1人湿地を眺めながら空想にふける時間を過ごしていました。

　そんなとき、杏奈は湿地帯でマーニーという少女と出会い、繰り返し遭い色々なことを話し関係を深めていきます。しかし実はマーニーという少女は存在していませんでした。

　存在していないアーニーをさも本当にいたかのように感じたのは、杏奈は精神病なのか? このアニメはホラーなのか怖い話なのではと思ってしまうかもしれませんね。

　しかし、映画の最後の方で杏奈が見た少女マーニーの正体が明かされてゆきます。

　杏奈が幼児のころにおばぁさんが枕元で語った話の記憶を、おばあさんの故郷である湿地帯で思い出されたというものでした。

　以下3つの状況が重なり、杏奈は少女マーニーに出会ったと考えられます。

• 中学生の思春期と呼ばれる時期に入り、本当はさびしく友人が欲しいという気持ちから心の中に親友を作り上げた
• 杏奈の幼少期に、おばあさんが枕元で語った故郷の話の記憶
• おばぁさんの故郷である湿地帯で過ごした

少女時代の友人関係

　筆者にも子供時代には3人の親友と呼べるような友人がいました。

　1人目は幼馴染で、幼稚園から小学校低学年までクラスが一緒だった時もあり、クラスや放課後には近所でいつも遊んでいました。

　小学校高学年のときにもまた親友のような友人がいてクラスや放課後よく遊んでいました。

　そして中2くらいではまた非常に親しい友人というのができました。

　筆者の子供時代は、この3人が信頼感で結ばれて日々を一緒に過ごした友人たちでした。

　大人になって方はなかなかこんな濃い関係ってできないので、子供時代の少女時代の特別な関係かなと今でも思い出します。

親に愛されない怒り!!

　杏奈は、幼い頃の両親を交通事故で亡くしていて養母に引き取られて育ちました。

　養母とは血が繋がっていないことは分かっていましたが、ある日、養母が国から養育費もらっていることに気が付きます。

　普通の親は自分の子供を育てるのにお金を国からもらわないはずだ。

　杏奈は、養母はお金をもらっているから自分を養育しているんだ、お金をもらっていなかったら自分を養育はしなかったのではないかと思い深く傷つきふさぎだ気持ちで過ごしていました。

　筆者もまた、子供時代あまり恵まれない家庭で過ごしました。

　大人になってから対人関係で躓き、メールカウンセリングを受けたり、自助Gに通ったり、カウンセリングを受けたりしました。

最終的に両親と和解して関係は良好になりました。

「思い出のマーニー」考察と解説まとめ

　「思い出のマーニー」では、杏奈は、夏休みに1人で疎開し、そこで自分と両親や祖母の過去と出会い、親との関係や心の傷をいやし手和解していく過程が描かれた作品です。

　親との関係にわだかまりを持つ人は、杏奈と共に自分の親への気持ちや関係、わだかまりや解決などの心の過程を反復するのではないでしょうか。

そういった意味では、「思い出のマーニー」は児童文学なので少女向けの作品のように思いますが、実際はかなり大人向けの作品なのかもしれません。自分の原点を振り返るそんな作品だったのです。